イーハトーヴォの四季だより/安比高原オフィシャルブログ

2017.08.13

「やませ」の文化風景「南部馬」と「芝草原」

 皆さん「やませ」を知っていますか?

 

オホーツク海に停滞する高気圧から北日本の太平洋側に吹きこむ冷たく低層の霧の事です。

今から24年前の1993年(平成5年)の「やませ」は非常に強いもので、なんとお盆にコタツで過ごした経験があります。その夏の低温と日照不足は全国的な冷害をもたらし、ここ安比川流域の米の収穫はゼロでした。国内では一時米不足騒動となり、緊急的タイ米・カリフォルニア米を輸入したことは多くの方が知っています。あの年は他国のお米の味覚について様々な評価が記憶に残っています。

その「やませ」が今月初旬ごろから急に強くなっており今も続いています。 連日霧雨の安比高原でお過ごしの方は夏の爽やかな安比高原をご提供できず残念ですが、今の「やませ」の体感は大切な記憶と思います。

 

そんな中で今日は安比高原が大好きなご家族を、霧につつまれて幻想的な「中のまきば」にお連れして、放牧の「あっぴ馬たち」を見せてきました。 

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50mほどの視界の中、「お~い・お~い」と呼び寄せ待つこと1分、霧の中から先ず1頭が見え、その後に2~4頭とあっぴ馬たちが近づいてきました。

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いつもと比べておとなしい感じです。

良く見ると7月と比べて随分とアブが減っていて楽になったようです。

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8月まではアブに襲われながら慌ただしく草を食べているあっぴ馬たちにとって「やませ」は最高の環境のようです。夏の時期はこんなにアブがいるんです。

 

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さっそく顔をなでたり草を食べさせたりしながら馬に慣れて来たようです。

霧につつまれ涼しいまきばの中、ゆっくりとした時の中で、あっぴ馬たちと家族の思い出ができたようです。

 

 

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「やませ」と聞くと過去には冷害や悲惨な歴史などとマイナス要素ばかりとなりますが、逆にこの気候・自然環境を活かして育んだ文化もあります。

それは「やませ」の低層霧がもたらしてくれる涼しさと水分が夏の天然芝の生育に適し、放牧されている在来馬にとっては恵まれた環境だったわけです。

この北東北の太平洋側の自然環境が平安時代に「蝦夷馬」、江戸時代には「南部馬」と呼ばれるブランド馬を生産してきた地域なのです。軍馬との関わりは大きいですが、生活文化においても「馬車」や「馬そり」「馬耕」そして材木を深山から引っ張り出す「馬搬」で重要な役割を担ってきました。

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トラクターや大型機械に代わってしまった現代、在来馬は働く機会を失いその頭数が激減し、美しい芝草原が消滅の危機に立たされています。あっぴ馬たちはそんな中で毎日草を食べながら環境を保全してくれています。

地域の自然環境を知り活かす知恵がこの地方の馬放牧文化を1000年育んだできました。

私たちは自然との関わりを持続可能にするためもう少し考えることがあると思います。

大切にしよう地域の文化を! こうちょう

投稿者: 自然学校スタッフ | 日時: 2017.08.13

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